サステナビリティ

新製品・新技術の創出

当社は社会課題解決に寄与することに重きを置き、新製品開発を進めています。メーカーとしての「ものづくり力」の更なる強化を目的に、2025年度にものづくりに関わる開発/製造/品質管理/購買部門を統合した「ものづくり統括本部」を新設しました。この体制を活かし、開発/製造/品質管理/購買部門の一体感をベースに開発スピードと開発精度を高め、環境/社会課題解決に貢献する研究開発を目指していきます。

指標・目標

指標 範囲 単位 2022年度 2023年度 2024年度 中長期目標
2027年度 2030年度
研究開発費 連結 億円 16 18 19 - -
特許出願数 単体 9 19 24 (累計)75
(2025~2027年度)
(累計)210
(2022~2030年度)
外部機関との協業件数 単体 4 9 13 - -

製品開発の取り組み

当社は社会課題解決に寄与することに重きを置き、新製品開発を進めています。温暖化、リサイクル、省エネルギー、化学物質規制等の環境課題の解決に向けて、コンパウンド製品では、加硫ゴムよりも少ないエネルギーで成形でき、軽量でマテリアルリサイクルも可能なTPV(動的架橋型熱可塑性エラストマー)製品の提案を続けています。フィルム製品としては、遮熱性能や低蓄熱性能の部分で差別化できる製品を目指し、各種用途において提案を進めています。
また、当社の主力製品であるPVC(ポリ塩化ビニル)製品に使用しているPVC樹脂は原料の約6割が塩(天然素材)であり、耐久性も高いことから、他の石化由来原料よりもエコフレンドリーな素材でもあります。PVC製品においても顧客のニーズに応える高品質なカスタマーディライト製品を提案し続けていきます。

施工性改良、軽量化、工程削減

高齢化・人口減少等の社会課題の解決に向けては、施工性、軽量化、工程削減という視点で開発を進めています。コンパウンド製品では先述したように、加硫ゴムよりも軽量なTPV製品の提案をしており、フィルム・食品包材製品では施工性・作業性の改良を進め、当社でしか達成し得ない差別化製品の提案に力点を置いて開発しています。

フードロス削減

フードロス削減に対しては、鮮度保持フィルムの提案を行い、対象となる青果物のデータの分析や使用方法についての検討を深め、社会に寄与する製品の開発を進めています。

既存用途・既存製品でも、市場・顧客ニーズに合わせた改良をタイムリーに行っており、長期ビジョン「すべての生活空間に快適さを提供するリーディングカンパニーを目指して」を実現するために、当社の技術的な強みを活かして価値提供に挑戦し続けています。
3ヵ年中期経営計画のもと、新規製品の売上高比率を23%以上にすることを目標としてこれらの活動を継続していきます。

基盤技術

処方設計技術

様々な原材料を使いこなし、ニーズの多様化と高度化に的確に対応した設計を行っています。製品の開発スピードをさらに加速し、データ駆動型の研究開発による処方設計の効率化・高速化を図る目的でMI(マテリアルズ・インフォマティクス)を導入しています。

配合・混練技術

複数素材のモルフォロジー制御、反応改質技術により、ますます広がる高機能材料へのニーズに対応します。お客様での加工適性を高めるため、最適な混練状態にてコンパウンドを提供しています。また、当社が長年培ってきた技術を活かし、最適な成形加工条件やお客様での成形不具合の改善提案をしています。これらの生産加工技術は、海外連結子会社の生産拠点でも継承されています。

フィルム製膜・加工技術

当社の熱可塑性樹脂の製膜技術は、フィルム表面の均質性や品質安定性が優れており、世界でも通用する技術力を有しています。また、多様なラミネート加工技術により、特性の違うフィルムをラミネートすることができます。フィルムの表面改質のためコーティング加工も行っており、汎用レベルから精密塗工までの塗工技術を保有しています。これらのフィルム製膜、ラミネート、塗工技術の総合的追求により、付加価値の高い機能性フィルムを提供しています。

研究開発のDX

100年企業を目指して持続的に成長するためには、新技術開発・新規事業創造をしていく必要があります。それには環境整備が重要で、その中でもデジタル環境の整備は今後ますます重要となります。デジタル環境を整備することで従来の業務を効率化・省力化し、研究者が新しいことや人にしかできないことに特化できる体制を整えていきたいと考えています。また、情報の属人化や情報格差による効率低下を避ける目的で、暗黙知を形式知化することが重要だと捉えています。
2024年度は、DX推進としてMI(マテリアルズ・インフォマティクス)の活用や技術データベースの作成を進めてきました。併せて、MI人材の育成を行うことで40件の開発テーマにおいてMIを活用することができました。また、データベースや各種技術業務のワークフローについても随時作成を行い、2025年度中には一部を運用開始していきます。
今後もさらにデジタル技術を活用する環境を整え、開発スピードを早めていきます。

知的財産戦略

サステナビリティやESG(環境・社会・ガバナンス)の推進など、昨今の社会変化に対応していくためには、多面的な視点から経営戦略を策定することが不可欠となります。そこには、知的財産情報を活用するIPランドスケープが有効であり、知的財産部主導のもと当社の経営課題に対する提言を行っています。
前3ヵ年中期経営計画では特許を2022~2024年度の累計で45件出願することを目標としており、結果として52件出願することができました。
2025年度より開始した3ヵ年中期経営計画では、出願件数75件を目標に活動していきます。

新規事業の創造

2025年度の組織変更では新たな主力事業の創造をより具体的に推進すること、将来の社会課題の変化を想定した要素技術の開発をより強力に推進することを目的に、「新規事業開発準備室」を「新規事業創造部」に改めました。新規事業創造部では、持続的な成長を遂げるためには新しいことに挑戦する必要があるという考えのもと、10年後、20年後の当社のあるべき姿を想定し、その実現のために現時点で何をするべきかをバックキャスティングして新たな事業創造に向けて活動しています。
現在までに、将来の社会課題の変化を見据え、それに対応する要素技術の開発を強力に推進してきました。創業以来培ってきた「処方設計技術」「配合・混練技術」「フィルム製膜・加工技術」という3つの基盤技術をさらに強化し、それらを融合させることで中長期的な視点でプラネタリー・バウンダリーとソーシャル・バウンダリーの課題を解決できる新製品・新技術の創出に挑戦しています。
当社の技術を核としながら、産学連携や産官連携といった当社以外のリソースを積極的に活用することで、新規事業を生み出します。

オープンイノベーション

社外からの知見や技術を取り込み、新たな価値創造につなげるオープンイノベーションの活動については産学連携を基礎とした共同開発をメインに実施しています。
2024年度より産学連携プロジェクトとして始動した工学院大学との研究では、住宅用温熱タイルを共同開発しました。当社の樹脂素材の配合加工技術と工学院大学の薄膜技術を組み合わせることにより、リサイクル材を95%以上使用したフロアタイルに低電圧で発熱する温熱機能を付与することに成功しました。
今後も要素技術の獲得および製品開発への応用を目的とし、オープンイノベーションの取り組みを継続していきます。

温熱タイル